THE ORIGIN Ⅲ “暁の蜂起”

前2作のレビュー(というかボヤキ?)は、先頃まで設置していた超私的SNS内で書いてたけど、2016年5月下旬に存在価値をなくして消滅させたため、その記録を拾うのもめんどくさいので掘り返すこともしない。

故に「暁の蜂起」のレビューがオープンで書く初めてのものになる。
前2作の私的感想も踏まえつつ、今回はその「暁の蜂起」の感想をしたためておこうと思った。
余りネタバレしないつもりだけど、口が滑る可能性があるため、未視聴の人はご注意かもしれない)Oo(・Д・)

「青い瞳のキャスバル」

機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ

機動戦士ガンダム前史として「解釈された」ジオン・ズム・ダイクンが倒れたシーンから始まる、キャスバルとアルテイシアの物語である。
あえて「解釈された」と書くのは、「これが正史である!」と言い切ってしまうと色々ウルサイので、そういうことにしておいて欲しい。

俗に言うTHE ORIGINシャア・セイラ編を観てみたい人は、当然その始まりの物語であるこの巻から観ることをオススメする。
少年期のキャスバルはどんな実体験をしていたのか。
アルテイシアはどんな少女時代を過ごしたのか。

・・・というより、ぶっちゃけた話、この1作目の印象をストレートに言うなら、「クラウレ・ハモン&ランバ・ラル、七転八倒の大活劇」である。
そのくらい目立つ。目立ち過ぎw
まぁコミック版本編で、そうなりそうな予想はあらかたついてたけど。


「哀しみのアルテイシア」

機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅱ

2作目、青年期に移住生活を強いられるようになったキャスバルとアルテイシアの巻。
個人的にはこの巻に余り良い印象を持っていない。
何より、池田秀一さんのたっての希望でキャスバルの声をあてられたとのことだったんだけど、私はちょっと受け入れられなかった。
少年期は田中真弓さんが演じたわけで、「ルフィになっちゃわない?」という懸念があったものの、そこはベテラン、うまく演じきった。
では、同じベテラン声優である池田秀一さんの声がなんで受け入れられなかったかというと、多分アルテイシア(セイラ)役でこの作品では交替している潘めぐみさんがうまく溶け込んでいるせいだと思う。
だからできれば青年期は池田さんではなく、他の声優さんであって欲しかった・・・というのが、2作目を単体で観るとそうなるかもという感想。

筋書きとしては派手なシーンは余りないけど、人類初のモビルスーツ(この頃はまだモビルワーカー)の模擬戦が見れる。
若かりし日の黒い三連星など、本気で893な軍人集団が出てくる。
飛び越して3作目に行けるかというと、そうでもなく、この巻もやっぱり観ておいたほうがいいものではある。
ただ私の私的な評価としてはなんか一段落ちてしまうのだ。


「暁の蜂起」

機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅲ

そして、今回の「暁の蜂起」である。

序盤のシーンは、筋書きを知っている原作ファンに依存しているのでは?というくらい駆け足だった。
あ、待って。その前に「前回までのあらすじ」にあたる部分が相変わらず長すぎ。これ毎回繰り返さなくていいと思うのん。

さて、あえて、キャスバル⇒エドwゲフン⇒飛び越してシャア・アズナブルとして、ガンダムの歴史の中を暗躍(?)しはじめる話だ。
前作で有り得ない違和感を感じてしまったキャスバル(池田秀一さん)は、今回どうなるのか?
なんとなく、池田さんとしては、こうしたかったのかなぁ、という意図は読み取れた。
やや上ずったようなまだそんなに腹の黒い部分を見せない、模範的な兄を演じているような風のキャスバル。
士官学校に入り、シャア・アズナブルを騙り、段々とその目的のためには手段を選ばない「あ、やっぱシャアや!」と思わせるような、ガンダムシリーズで見慣れたシャアになっていく。
これは凄いw
もう「こいつ、シャアやで!」ってかんじ。当たり前だけど。

そういう青年期から、復讐の手綱を掴んだシャアへの変貌を池田さんは演じ切りたかったのかなぁと思う。

正史(?)に登場するキーの人物は、ザビ家の顔が怖い親父兄弟はさておき、ガルマ、シャア、ゼナである。
コミック版を読んでない人には「ゼナって誰?」という印象だろうけど、ほらあのあれ、ソロモン攻略戦の時のドズル閣下のアレ。
「行け!ゼナ!ミネバと共に!」
の・・・あら奥さん。

そう、今回はまだ少女士官時代のゼナ・ミアさんが、ある事件をきっかけに・・・ある事件ってサブタイトルのまんまだけど、ドズル閣下に娶られる原因となったエピソードである。
ぶっちゃけそういう意味では、3作目は最後まで観て、
「ガッカリだよヽ(・Д・)ノ プンスコ」ってかんじではあった。
なんでかって、私はドズル兄さんがゼナに告白するシーンが見たくってこの映像化したTHE ORIGINを観てるわけだからなヽ(・Д・)ノ
あの宇宙一男らしいプロポォズシィンを。
ところが・・・3作目には収録されていなかった。
4作目冒頭で、収録されるかどうかも話の流れ的に怪しい。
あーぁ・・・見たかったなぁ。

ガンダムシリィズの中で今までに無かった見どころとしては、この蜂起劇、モビルスーツなぞ一切出てこない現代戦さながらの白兵戦ということである。
ミリオタじゃないから「こんなしょぼい白兵戦あるかよ」とかツッコミくらいそうだけど、だけどこのシーンはガンダムとしては珍しい。
恐らく正史のランバ・ラル隊のWB特攻とこのシーンくらいじゃないか。
故に多少生々しい。
ガルマの蜂起時の「この中の誰かが死ぬかもしれないんだぞ!?」(覚悟を決めろシーン)は、正にそういう話の仕立て方の表れで、それ以前に連邦治安部隊に蹂躙されるジオン自治共和国一般市民の皆様とか、戦争の凄惨さの側面もチラチラと表現されている。
余りグロテスクにならない程度にではだけど。

コミック版から大きく修正された事柄も二つある。

1つは、隕石(巨大氷塊)がサイド3ムンゾ首都バンチ農業区に観測の怠慢で衝突するのではなく、より戦争に向きやすい理不尽な逸話となって、連邦の横暴さと内戦勃発につながるキーとして、変更されていた。
もう1つは、コミック版「ムラタ君」の存在。
劇場版「暁の蜂起」ではムラタ君出てこない(´・ω`・)
コミック版では、シャアのトレードマークになる、あのヘッドギアを渡した重要人物なので、「あれ?ムラタ君は?」って思ったけども。
劇場版ではリノという、本物のシャア・アズナブルを知るハイスクールでの級友が登場する。
彼が感じる違和感が、彼の運命を決定づけていくという・・・「ムラタ君は?」の戸惑いの後に「あ、こいつ死ぬな」と既に分かってしまうアレなかんじだけども。

前述2点の修正は、理に適ったものだなぁと私は思った。
自分達の不手際が招いた惨事を治安介入という武力鎮圧で無かったことにしようとした地球連邦政府。
その台詞が出てこなくても「君は深く入り込み過ぎてしまったのだよ。(CV:池田秀一)」と幻聴が聴こえてくるほどのリノの存在。
ちょいとネタバレ気味になるけど、そんなリノを何の躊躇も無く、狡猾な罠を仕掛けて、戦友に亡き者にさせるシャア恐ろしい子!

ここまで3作の中では、一番面白い。
元々期待してたのが3作目に来るであろうジオン教導隊の暴発だったからってのもあるだろうけど。

補足、風景。
この巻には様々な未来の風景が登場する。
未来なようなそうでもないような判断しがたいものだけど。
3作目最後の最後、アムロが登場する。
あの機動戦士ガンダム第1話「ガンダム、大地に立つ」のサイド7に移住してきたばかりのアムロがサイド7の内景を眺めるシーン。
いい時代になったなぁと思った・・・。
かれこれ35年前くらいに見たアレはこういうシーンだったのかと。
他にアズナブルさんとセイラさんがテキサスコロニーで馬車に乗るシーン。
きな臭くなっていくサイド3ジオン本国の空気とは裏腹に実に平和な牧歌的風景。
恐らくこれは、4作目のエピソードと対比させたくて、あえてこのシーンに時間を割いているんだろうなぁと勝手に思った。
あとは士官学校の行軍訓練のシーン。
どっちかっていうと景色じゃなく「君の宮殿」かな。
多分その温かそうなシャアの対応も非情な目論見の裡という・・・。

いくらか尺の関係上、端折られているシーンも散見されたけど・・・、例えば士官学校卒業式という節目をカットしたりとか、成績に対してガルマが勘ぐった時のシャアの「このボッチャマ、ウケるー、まじでウケるわーwww」な自室での高笑いのシーンをカットしたりとか。
ガルマがシャアと同室に変えさせたシーンでももうちょっと、あの安彦先生が書いた表情とコマの溜めが欲しかったかなぁとか。
そういうのは確かにあるけど、追補されたシーンとの兼ね合いもあって、そりゃそれで仕方ないし良い変更なのかもと思った。

・・・なので、「暁の蜂起」は観るとガンダム臭いけど、ガンダムらしからぬモビルスーツがまだ戦わない戦争のガンダムという、そういうものが見れるのだ。

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